Twitchストリーマーからみた著作権法とDMCAの理解

著作権とは？著作権を所有するのは誰ですか？
著作権とは知的財産のひとつの形であり、オリジナル作品の原作の所有者に対し、その作品を用いた他者による特定の行為 (例: その作品をTwitchで配信する、その作品を含むVODやクリップを作成するなど) を防ぐための排他的な権利を与えるものです。著作物には、楽曲・絵画や写真作品・小説・TV番組・映画・ゲーム・プログラミングコードをはじめとしたさまざまな創作物が含まれます。

著作権の最初の所有者は、作品の “原作者” です。自ら作曲してその曲を演奏するミュージシャン、壁画を描いたアーティスト、ライブ配信を行う (皆さんのような) ストリーマーがその例に含まれます。しかし、原作者はその権利を他者 (個人またはレコードレーベルや映画スタジオのような会社) に “委譲” することが多く、そうなると委譲された人または団体が著作権の所有管理者になります。

著作権侵害:
“侵害” は、いわば “違反” という意味です。アメリカ合衆国法 (他国の法律は若干異なる場合がありますが、基本原則は変わりません) の下では、著作権者の許諾を得ることなく、著作物の複製・配布・実演・公開展示・二次創作 (既存の作品を何らかのかたちで利用し、派生的に新たな作品を創作すること) が行われた場合に著作権侵害となります。ただし、何らかの法的正当性 (後述の公正使用など) が適用される場合はこの限りではありません。著作権侵害を避けるため、著作権者の許諾を得ることなく、他者の著作物を使用しないようにしてください (Twitchのライブ配信、VOD、クリップ、スタンプ、チャンネルページを含みます)。

DMCA通知:
著作権者が、自分の著作物がオンラインサービス (Twitchなど) を使用する他者によって、許可なく複製・実演・展示等されていると確信する場合、著作権者 (またはその正式な代理人) は、そのオンラインサービスに侵害を申し立てる通知を送ることができます。この通知は「DMCA通知」や「削除依頼」と呼ばれることがあります。その通知を受け取ったオンラインサービスには、侵害の申し立てを受けた素材を削除するか、その素材へのアクセスを無効にする法的義務が生じ、常習的侵害者ポリシーに準じてそのインシデントを記録します。

要件が完全に整ったDMCA通知がTwitchに届いた場合、Twitchは、著作権者侵害が申し立てられたコンテンツを配信またはアップロードしたストリーマーに、通知の内容と対応の選択肢をメールでお知らせします。同じ情報はご自身のクリエイターダッシュボードでも確認できます。また、Twitchはそのアカウントに対し著作権侵害の警告を発行します。

反論通知と撤回依頼:
著作権者またはその代理人からTwitchに届いたDMCA通知が、間違いや誤認に基づくものと確信がある場合、以下のような対応が可能です。

申立人に通知の撤回を依頼する (Twitchからの連絡に申立人のメールアドレスが記載されています)。
Twitchに反論通知を提出する。反論通知の提出により、申立人による訴訟の可能性が生じるため、そのDMCA通知が間違いまたは誤認によって送られたものであると確かめたうえで反論通知を送ることを選んでください。

申立人が通知を撤回した場合や、ストリーマーが有効な反論通知を提出した場合、TwitchはそのDMCA通知による著作権侵害の警告を削除し、可能な限り著作権侵害の主張を受けたコンテンツを復元します。

常習的侵害行為に関するポリシー:
Twitchは、ユーザーがユーザー生成コンテンツを公開できる他のオンラインサービスと同様に、「常習的侵害者」アカウントの閉鎖を義務付けるグローバルな著作権法に基づいて運営されています。TwitchがDMCA通知を受け取ると、該当するコンテンツをシェアしたストリーマーのチャンネルには、常習的侵害者ポリシーに準じてTwitchから著作権侵害の警告が届きます。著作権侵害の警告は一定期間後に消滅しますが、常習的侵害者ポリシーでは「スリーストライク制」を適用し、3回警告を受けたアカウントは閉鎖されます。DMCA通知を受け取った場合は、その内容を精査し、誤りの内容を理解したうえで、今後繰り返すことのないよう対策を講じてください。

公正使用:
公正使用とは、著作権者の許諾を得ることなく、著作物を限定的に使用できるという法原則です。アメリカ合衆国の法律では、批評・解説・ニュース報道・教育・パロディーを目的として著作物を使用する場合が一般的な例とされています。その原則を認めていない国や地域も多く、その原則で保護される範囲も狭い場合があります。公正使用は、訴訟時に提起される抗弁事由であり、著作権侵害による訴訟を防ぐものではないことに注意が必要です。Twitchなどのサービスでは、ストリーマーのコンテンツが最初にDMCA削除通知の対象となることを防ぐことはできません。

概要:
著作権法の重要ポイントを学ぶことで、ストリーマーは創作物の権利を尊重したうえでコンテンツを作成し、Twitchでシェアできるようになります。この記事は法的なアドバイスではないことに留意し、自分または他者の著作物にかかわる具体的な状況について懸念がある場合は、著作権やデジタルメディア法を専門とする法律家に相談してください。